銀行などの金融機関にとって、住宅ローンは主力の金融商品です。
彼らにとっては何より物件を購入してもらう事、そしてできるだけ大きな
ローンを顧客に契約してもらうことが目的です。
そのような観点からアドバイザー側の立場で、どのようなロジックでロ
ーンを顧客に促すのかという類の書類を読んでみました。
まずは、賃貸派とマイホーム取得派の総支出の比較。
縦軸に支出金額、横軸に経過年数をとって両者を比較していくと、40
年弱以降からマイホーム購入派が有利になっていくというグラフが
ありました。
確かにそれなりのロジックで展開していますが、大きな盲点があります。
それは、長期の40年弱前に住宅が地震で倒壊するケース、あるいは、
安定収入が途切れるケースです。つまり、デフォルトリスクです。
これを指摘すると、アドバイザー側の立場の人からは、それを言っては
おしまい、きりがない、という大反論をされることでしょう。
しかし、本日(1/23)入ってきたニュースによれば、東大地震研によると
M7級の首都直下型地震が4年以内に発生する確率が70%だそうです。
これは30年以内に70%とする政府の地震研の見解から、今回の東日
本大震災の発生したことが明らかに影響しており、さらにリスクが高まっ
たという事を表しています。
特に私は不安をあおることを意図していませんが、そういうこともリスク
として現実的に想定すべきだということを言いたいわけです。
次に、拠出できる住宅ローンをできるだけ大きくしてもらうためのロジック
です。それは購入前の家賃+使途不明金(いわゆる家計の予備費)
と購入後のローン+住宅維持費を比較して、できるだけ購入ローンを増額
してもらう方向に誘導するロジックです。
式で書くと(全て年間ベース)
購入前の家賃+使途不明金(家計の予備費)≧購入後のローン+住宅維持費
これを式変形して
購入前の家賃≧購入後のローン+住宅維持費−使途不明金(家計の予備費)
この式で、左辺よりも右辺が小さければ、購入した方が負担が減るということで、
できるだけ、使途不明金(家計の予備費)を家計の見直しと称してねん出させて、
つまり既契約の保険なども含めて家計を見直してもらって、その分を住宅ロー
ンの拡大に振り向かせようというロジックです。
この場合も、長い返済過程で地震倒壊リスクや安定収入が途切れるリスク
を想定すると、融資する側は極めて自分にとって有利な取引で、購入側にとっ
ては極めてリスクの高い取引になります。果たして、このことをどれだけの
購入者が認識できているでしょうか?
今、欧州で起こっているリスクは金融分野ということで住宅市場とは分野は
違えども、信用リスクと金利変動リスクとは別次元の大きなリスクであるという
意味では、同じように考えることができます。

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